「もう悩まなくて大丈夫」
ひとりひとりに合わせたケアで
ご利用者とご家族の人生を
もっと豊かに前向きに
こんにちは。
自閉症専用「シェアハウス Pila」のホームページにお越しくださり、ありがとうございます。
「シェアハウス」とは、複数人が同じ屋根の下で共同生活を送る住居のことです。
シェアハウスPilaは、重度の知的障がいのある自閉症の方々を対象としたシェアハウスです。
24時間体制で日中・夜間・深夜帯ごとに3名以上のスタッフが常駐しており、自閉症に特化した専門的な支援を受けながら、現在5名の方々が暮らしています。
鍵付きの個室スペースがありながらも、トイレ、バスルーム、ダイニングルームなどは共用になっています。
日中は弊社の生活介護事業所Kaiで自立スキルを習得して頂き、シェアハウスではそのスキルを実際に使って生活して頂いています。
また、普段の生活介護のご利用時にご本人の特性をしっかり見極めて個別対応しているので、シェアハウスでもご本人に合った環境を提供できます。
生活介護とシェアハウスでのサポート体制が一貫しているため、ご本人にとって混乱が少なく安心して暮らせるように支援します。
- 状態が重く受け入れ先が見つからない
- シェアハウスに預けていたけど、問題行動を起こして退所せざるをえなくなった
- シェアハウスを転々としていて行き場がない
- 24時間つきっきりで、自由な時間や夫婦の時間がとれない
- 睡眠が乱れる日は朝方まで付き添いが必要で、精神的・体力的な負担が大きい
- 夜中に大きな声を出すことがあるので、近所からクレームを受けるなど、肩身の狭い思いをしている
- 自宅でパニック・自傷行為を起こしてしまって、どうしていいかわからない
- いつか自分がいなくなったら我が子は暮らしていけるのだろうかと不安になる
これらは当事務所に寄せられる、ご相談の数々です。
当シェアハウスは、おひとりおひとりの状態・特性に合わせたアプローチで、24時間365日暮らしをサポートするシェアハウスです。
強度行動障害(自傷、他害、破壊行動など)の状態になっている方でも、受け入れを行なっていますので「どうせ断られてしまうのかな」とご不安をお持ちの方も、まずはご一読いただければと思います。
自閉症のお子さまと生きるあなたに
「シェアハウスの利用は難しい」と諦めないでください
こんにちは。
代表の佐藤宏満です。
これまでわたしは、障がい福祉分野で12年間勤務してきました。
入所シェアハウスでの支援や、就労支援などを経験。軽度の方から重度の方まで、また、お子さまから成人まで、計100名以上の自閉症の方と関わってきています。
「どのシェアハウスからも断られてしまって受け入れ先が見つからない」
「つきっきりでケアをしていて何年も自分のことが後回しになっている」
そんなつらい悩みを抱えてきた保護者の皆さまにとって、当シェアハウスは言わば“駆け込み寺”。
実際に保護者の方から「うちの子をシェアハウスに預けるのはもう無理かと諦めかけていたのに」と、驚きと安心の声をいただくことも少なくありません。
時には「Pilaのおかげで、自分がいつこの世を去っても大丈夫だと思える」と涙を流される方もいらっしゃるほどです。
そんな当シェアハウスでは、大きく分けて3つの方法で支援を行なっています。
- おひとりおひとりの状態・特性によって支援内容をカスタマイズ
- 科学的根拠のある、最先端のコミュニケーション支援を実施
- 生活介護事業所Kaiと連携し、ひと続きのケアを提供
自閉症をお持ちの方には、それぞれに違った特性や傾向があります。
そのためシェアハウスPilaでは、「自閉症」と一括りにしてしまうのではなく、おひとりおひとりをじっくり見ながら支援方法をカスタマイズしています。
外部のコンサルタントからアメリカの最先端の研究知識を取り入れ、科学的根拠のある手法で、おひとりおひとりにアプローチ。
状態を改善させることを目指すのではなく、自立スキルが身につくよう支援していきます。
また、当社はシェアハウスだけでなく、生活介護事業所も運営しています。
利用者さまには、個人のペースに合わせ、週に何度か、日中を生活介護事業所で過ごしてもらうかたちになります。
生活介護サービス利用中にも個人の特性を把握できるので、生活介護と居住で一貫した支援を提供可能。さらに、生活介護サービスで培ったスキルをシェアハウスで実践するという、立体的なトレーニングが可能となっています。
わたしたちの願いは、利用者・保護者のみなさまに心から喜んでいただき、ストレスなく穏やかに暮らしていただくこと。
安心してお過ごしいただけるよう、さまざまな工夫を凝らしています。
シェアハウス Pilaができるまで
シェアハウス環境が合わないと、状態が悪化するという事実
さて、ここで少しわたしのお話をさせてください。
わたしは数年前、ある秋田県内の入所シェアハウスに勤務していました。
そのとき、ひとりの自閉症を持った方と出会います。
その方は、出会ったときには、状態は重くありませんでした。
しかし、入所シェアハウスでの暮らしを続ける中で、行動障がいが強く出るようになります。
次第に自傷や他害の傾向が目立つようになり、手をつけられない状態に。結局、受け入れ拒否というかたちで、シェアハウスを出ていくことになってしまいました。
保護者の方は、24時間体制で子どもを見なくてはならなくなったので、お仕事を辞めざるを得ず、つきっきりでケア。当然大きな負担がかかり、心身ともに限界を迎えてしまいました。
そんな保護者の方々の姿を見て、わたしはいてもたってもいられなくなりました。
同じような悲劇を、繰り返すわけにはいかない。
自閉症の方のケアには、自閉症の特性にあわせたシェアハウス環境と、ひとりひとりにあわせた関わりができる、自閉症特化型の支援シェアハウスが絶対に必要だ。
そう確信したわたしは、自閉症専門の生活介護事業所事業を立ち上げました。
それから月日は流れ、保護者の皆さまとお話をしていたとき、こんなリクエストをいただきました。
「息子が安心して暮らせる場所を作ってほしい」
70代の母親の方は、ご自身が介護シェアハウスに入る日を想定し「近い将来、誰が息子をみてくれるのか」と不安をにじませました。
目の前のたったひとりの方からの生のリクエストを受け、その場で、わたしは約束しました。
3年かけて設立した、こだわりのシェアハウス
それから、3年以上の準備期間をかけました。
静けさ・利便性のバランスがとれた理想的な土地を探すところから始まり、自閉症の特性に合った住居の間取りを考案。建築しながら、スタッフの教育を進めました。
ハード面・ソフト面の双方の観点でさまざまな工夫を凝らした結果出来上がったのが、シェアハウス Pilaなのです。
「自閉症の方が地域の一員として暮らせる理想的な環境ができた」と自分でも感動したほど。
実際に、入居後、主治医が驚くほどの状態改善を達成された方もいらっしゃいます。
その方は、元々は言葉と行動の乖離が目立っていて、もどかしい思いをされているようでしたが、入居後、自分の気持ちを言葉で正しく伝えられるように。
保護者の方も、驚きながら感涙されていました。
このようにシェアハウス Pilaで暮らすことで、ただ毎日を安全に暮らせるだけでなく、自立のためのスキルを得られます。
ここまでの支援を提供しているシェアハウスは全国的にも珍しいようで、秋田とは縁もゆかりもない首都圏の方から、入居のお問い合わせをいただいた例もあります。
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状態が悪化しているように思えても、悩まないで
当シェアハウスに相談に来られる皆さまが、口を揃えておっしゃることがあります。
「うちの子の状態は、悪化傾向にあります。
正直、シェアハウスには入れないと思っています…」
もし、今あなたも同じような不安を抱えていらっしゃったとしたら、何も心配はありません。
たしかに、状態が悪くなっていくのを間近で見ていると、このままどんどん悪い方へ進行していくと考えてしまいますよね。
特に、過去に生活介護事業所やグループホーム等のシェアハウスで利用を断られた経験があると、絶望を感じることでしょう。
「これからは、どのシェアハウスにも頼れない」
「自力で子どもを見ていかなくては」
こうして24時間体制で面倒をみた結果、保護者さまが、心身ともに疲労困憊となってしまうケースが多くあります。
しかし、わたしはこれまで100名以上の支援に携わってきた経験から確信しています。
一度状態が悪くなったからと言って、必ずしも悪化の一途をたどるわけではありません。
適切な環境を整えることができれば、状態は必ず良いほうへと向かっていきます。
もし、今、状態が悪化したとしても、お子さまやご自身を責める必要は一切ありません。
実際、シェアハウスPilaで暮らすことで、状態が好転した方が多くいます。「もうシェアハウスのお世話にはなれない」と諦めてしまう前に、ぜひご相談ください。
「シェアハウス Pila」の3つのお約束
これらを踏まえ、当事業所では、3つのことをお約束します。
1.一人一人の障がい特性に合わせて個別支援を組み立てます
他のシェアハウスで問題を起こしてしまった過去がある場合も、ご安心ください。
当シェアハウスでは、写真のように専用の検査キットを用いておひとりおひとりの行動特性や情報の受け取り方の特徴を丁寧に見極め、最適なケアを提供します。
例えば、文字、イラスト、写真など、その方にとって一番わかりやすい方法は何かを調べ、視覚的に分かりやすい方法で情報を伝えます。
日中は、週に何回かを生活介護事業所kaiで過ごしていただきます。シェアハウスでの行動傾向も踏まえた上で、正しいアプローチを判断していきます。
2.「マイナスからプラスへ」とスキルアップを支援します
自閉症によって起こるさまざまな行動障がいを「マイナス」だとするのであれば、それを「ゼロ」へ持っていくだけでなく、「プラス」へと好転させることを目指します。
私たちは、「問題行動」とは、支援者を困らせるための行動ではなく、本人が困っていることを知らせるための行動だと定義しています。
問題行動は、本人の障がいの特性と周りの環境がミスマッチしている時に起こります。
ですから、問題行動を抑えるためではなく、本人の困りごとは何かを調べ、環境を変えていくことが支援になります。
たとえば、生活介護事業所に来ると、衣類や洗面所の壁や床を水で濡らす行動が見られる利用者さんがいました。
記録を取ったところ、なんと1か月に95回も水濡らしがあり、支援員も対応に終われていました。
ところがある支援を行ったところ、半年後には水濡らしの回数が0回になり、今ではシェアハウスでも水濡らし行動はほとんどなく、生活されています。
この方は発語がなく自分の気持ちを伝えることが難しいので、水濡らし行為を「問題行動」ではなく、コミュニケーションを教える「チャンス」と捉え、支援を組み立てました。
カードを支援員に渡さないと水濡らしができないように環境から変え、カードを渡せたら3分間だけ水濡らしをできるように徹底しました。
最初は支援員が手を取って指導し、徐々に自分でカードから渡せるようになりました。
すると、カードを渡せば自分の気持ちや要求が伝わることを学んだ彼は、他の場面でも少しずつカードを使って自分の気持ちを伝えることができるようになりました。
このように、利用者さん一人一人の特性に合わせた支援を行い、一歩一歩できることを増やすお手伝いをさせて頂きます。
3.保護者さまの人生を、豊かにします
実際に当シェアハウスをご利用中の保護者さまにお話を聞くと、人生が充実した様子を見てとることができます。
「初めて夫婦で1泊2日の温泉旅行ができた」
「子離れができて、自分の趣味に取り組めるようになった」
このような声を聞けるのも、わたしたちのやりがいのひとつです。
保護者さまに伝えたいのは、親であることはもちろんですが、あなたはそれだけではなく、夫や妻、そしてひとりの人間であるということです。
お子さまの人生だけでなく、ご自身の人生も大切にしてほしい。そう思っています。
もしかすると、お子さまをシェアハウスに預けるということに、心配や後ろめたさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、安心してください。
中には、入居して2,3日で「もう自宅に帰りたくない」とおっしゃる利用者さまもいるほど。皆、シェアハウスでの暮らしを気に入って、生き生きと生活されています。
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利用者さまの声
Aさん「息子はシェアハウスに行くことを楽しみにしています」
以前は他者に対して叩く、触るなどの不適切な行動が頻繁に見られ、事業所から利用を断られてしまいました。
自宅でも家族に暴力をふるうことが頻繁にあり、将来の行き先について不安を抱えていました。
Kai(生活介護事業所)に通ってからは、息子の特性に合った個別支援を考えて頂き、今では不適切な行動もほとんど見られなくなりました。
自閉症の特性について教えて頂き、今まで分からなかった息子の行動の意味が明らかになり、謎解きのようでした。
息子はシェアハウスに持っていく本を自宅で選ぶなど、シェアハウスに行くことを楽しみにしています。
今までは、いつ不適切な行動を起こしてしまうか分からない息子をいつでも追いかけられるように、動きやすい服装ばかり着ていましたが、今ではワイドパンツやスカートなどお洒落も楽しめるようになりました。
また、息子が冷蔵庫の中のものを食べてしまうので、作り置きなどはせず、ほとんどの食材を冷凍保存していましたが、今ではそのような心配もなくなりました。
「シェアハウス Pila」が選ばれる理由
1.24時間365日のケアを提供しているから
5名の利用者様に対して少なくとも3名のスタッフが常駐し、利用者さまの見守り・支援を行なっています。
万が一の場合に備え、利用者様のプライベート空間を除く、共有スペースや玄関の外に監視カメラを設置しています。
また、自閉症の特性のひとつである「衝動性」により、突発的に利用者様が外に出てしまうことがないよう、玄関の鍵が2つあり、うち1つは内側から開かないようになっています。
また、災害時に備え、火災報知器やスプリンクラーも完備していますので安心です。
24時間365日万全なサポート体制を整えていますので、保護者の方の手から完全に離れても、安心して暮らして頂くことが可能です。
「年齢的にいつまで我が子を見られるだろうか」と、将来の不安を抱える保護者の方からも選ばれています。
2. 一貫した支援を受けられるから
自閉症の方の中には、ルーティンが崩れたり、想定しない行動を強いられたりすることが、大きなご負担となる方も多いですよね。
そこでシェアハウスPilaでは、生活介護事業所とご家族と連携して一貫したサポートを行います。
ご利用の方は全員、生活介護事業所の利用からはじめていただきます。
数年間かけて、まずは生活介護事業所でのリズムに慣れていただきながら、支援者側はその間に蓄積されたデータを基に、シェアハウスでの支援を組み立てます。
そして、シェアハウスの利用が決まったら、少しずつ新しい環境に慣れていただきます。
シェアハウスの写真を見る、実際に足を運んで外観を見る、次は建物の中に入ってみる、次は館内でおやつを食べてすぐ帰る、館内で数時間過ごしていただく時間を増やしていく…というように、段階を踏みながら、シェアハウスでの生活に移行できるようサポートします。
日中の活動場所と居住場所ごとに支援の方針や手法が違うと、ご本人を混乱させてしまいかねませんが、弊社では生活介護事業所とシェアハウスが連携し、一貫した支援を行っているため、変化による混乱を最小限に抑ることができています。
2.自宅と同じようなスケジュールで暮らせるから
一人一人の利用者様のご自宅での暮らし方を詳しくヒアリング。
ご自宅の暮らしの延長線上でなるべくストレスのない暮らしができるよう、個々にシェアハウスでのスケジュールを組みます。
たとえば自宅で「夕食後にすぐ歯磨きをする」というルーティンがあったなら、シェアハウスでも同じように、夕食後すぐの歯磨きをルーティンとして取り入れます。
4. アメリカの最先端の手法を取り入れているから
米国ノースカロライナ州で実施されている自閉症支援プログラム「TEACCH」や、絵カードを用いてコミュニケーションを取れるようにする「PECS(絵カードコミュニケーションシステム)」など、最先端の自閉症支援の手法を取り入れています。
科学的根拠のある手法で、効果的にコミュニケーションスキルを伸ばせます。
スケジュールの例
親御様の許可を得て、ある利用者さまのシェアハウスでの一日の過ごし方を密着取材しました。
Kさん(20代)
障害程度区分(6) 強度行動障害該当
7:20 起床、トイレ
7:30〜検温、朝食、服薬、歯磨き
スタッフが「おはようございます」「昨日は良く眠れましたか?」など声をかけた後は、お一人で静かに召し上がって頂きます。
9:20〜着替え、髭剃り
布団を直す、など小さなことでもご自身でできることはやって頂きます。
ご本人が自分でできることを増やし、自立スキルを身に着けて頂くために、一人ではできないところのみ支援員が介入します。
10:00〜出発
- 支援員と一緒に床屋に行く
- 支援員と一緒に、スーパーに行き、ご自分でで昼食を選んで購入
11:45〜点眼、昼食、歯磨き
床屋に行って髪型がスッキリしましたね!
スーパーでご自分で選んだスパゲッティ、サラダ、リンゴジュースを昼食に召し上がりました。
自分で「選択する」ことも大切な自立スキルの一つです。
選択ができる方には、全て支援員が決めてあげるのではなく、ご自身で選ぶ機会を作っています。
1日3回体温を記録するのですが、こちらの利用者様はご自身で体温測定、記録をして下さっています。
ご自身の健康管理スキルを習得して頂くために、日頃から練習しています。
こちらの利用者様は磨き残しがあるため、支援員が仕上げ磨きを行っています。
将来は一人で歯磨きができるように、日中通っている生活介護事業所で歯磨きの練習をしています。
13:20〜外出
午後は、ご本人のご希望に出来る限りお応えする形で、好きな場所に出かけています。
普段は、ご本人の希望でDVDショップやマンガ館などに行くことが多いのですが、この日は「○○(福祉シェアハウスの名前)を見に行きたい」と仰り、親御さんの許可を得て、ドライブして外観だけ見に行くことにしました。
15:20〜帰宅、自由時間(パソコン視聴)
17:00〜夜ごはん、歯磨き
17:20〜18:00入浴
こちらの利用者様は一人で入浴ができますが、洗い残しがあったり、工程を飛ばしたりしてしまうことがあるので、ご本人の写真を使って入浴の手順書を作りました。
手順書を見ながら自立して入浴して頂いています。
介助が必要な場合は、同性のスタッフが介助を行います。
18:00〜夜食
ご自宅から持参したヨーグルトとスープを召し上がりました。
19:30〜血圧、体温測定
自由時間、お好きなタイミングで就寝。
※スケジュールは一例です。利用者さまによって異なります。
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シェアハウスの特徴
シェアハウスPilaでは、予め入居が決まっていた5名の利用者様の障がい特性に合わせて、建築設計からさまざまな工夫をしています。
全室鍵付き個室
私たちは、障がいの有無にかかわらず、利用者様のプライバシーを尊重しています。
障がい者向けの居住シェアハウスでは部屋に鍵がついていないことも多く、支援者がプライベート空間に自由に行き来することもあるそうです。
それでは、利用者様のプライバシーを守ることができません。
ですから、シェアハウスPilaでは、利用者様のお部屋すべてに鍵を設置しました。
- 支援者が外から鍵をかけて利用者様を閉じ込めるようなことは絶対にしない
- 利用者様がご自身で鍵をかけられるようであれば、自由に内側から鍵をかけていただいてOK
といったルールを設け、利用者様のプライバシーを守っています。
ご自分で鍵をかけて過ごして頂いている最重度の自閉症の方もいらっしゃいますよ。
防音
自閉症 の特性の一つに、「感覚の特異性」というものがあります。
これは、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚などの感覚が敏感あるいは鈍感であるという特性です。
例えば、自閉症スペクトラム をお持ちの方の中には、少しの音でも過敏に反応してしまう「聴覚過敏 」である方もいらっしゃいます。
こうした特性がある方も快適に生活できるように、各部屋の間隔を開け、壁を防音仕様にしています。
こうすることで他の利用者さんの生活音などにストレスを抱えることなく、シェア暮らし ができるようになっています。
窓
自閉症の特性の一つに「衝動性」があります。
例えば、突然窓から飛び降りたり、脱走したりしてしまう方も中にはいらっしゃいます。
このため、障がいのある方向けの居住シェアハウスでは、窓がないところもありますが、シェアハウス Pilaではこのような特性をお持ちの方も安全に暮らして頂けるよう、窓を無くしてしまうのではなく、館内すべての窓を全開にならない仕様の窓にしました。
安全を確保しながら、日光や風をお部屋に取り込むことができます。
専用玄関
自閉症の利用者様の中には、他の利用者様を見るだけでパニックになってしまったり、危害を加えたりしてしまう方もいらっしゃいます。
そのような特性を持つ方に配慮して、他の利用者さんとできるだけ顔を合わせずに生活を送れるよう、その方専用の玄関を設計しました。
個室内にトイレがあるお部屋もあります。
同じ屋根の下で暮らしながらも、出入り口を完全に分けることで、ご本人も他の利用者様も安心して暮らすことができます。
トイレの数の多さ
上記と同じ理由で、トイレの数を多く設計しています。
トイレは1階に2箇所、2階に1箇所あり、他の利用者さまとできるだけ顔を合わせずに生活を送れるよう工夫しています。
キッチン・ダイニング
シェアハウスを利用されている方5名のうち2名の利用者様が、食べ物へのこだわりがあります。
保護者様からお話をお伺いすると、ある利用者様は冷蔵庫の中や目についた食べ物を全て食べてしまうだけでなく、食べ物を奪うために人を叩いてしまうことがあるとのことでした。
作り置きしていた食べ物や調味料まで全て食べてしまう(牛乳1パックを一気に飲み干してしまう、マヨネーズを1本全て飲んでしまうなど)ので、ご自宅では、冷蔵庫の中身を空っぽにしたり、全て冷凍保存したりして対応していたそうです。
このような行動は、食べ物が目に入ると食べなければいけない衝動に駆られる「衝動性」、一度注目してしまうと強くこだわり続けてしまう「注意•注目の特性」、食べ物の適切な摂取量がわからない「想像力の欠如」など、さまざまな自閉症の障がい特性が重なり合って起こっています。
シェアハウスのキッチンでは、カウンターを設置し、利用者様とスタッフの出入り口を分けるほか、食べ物を出しっぱなしにしないように気をつけることで、食べ物が利用者様の目に触れないようにし、食べ物への固執が起こらないように工夫しています。
食事
食事の提供は3食、専属スタッフが準備しています。「ヨシケイキッチン!」さんの食材配達サービスを活用し、栄養バランスのとれた手作りの食事を提供しています。
糖尿病の方には麦飯を提供するなど、基礎疾患がある方への個別対応もさせていただいています。
他の利用者様に対して叩くなどの行動があったり、音に敏感な利用者様もいらっしゃるので、利用者様がみんなで一緒にごはんを食べることはありません。
一人一人時間をずらし、落ち着いた環境で、個別に召し上がっていただききます。
利用者様がご飯を召し上がるときには、支援員が見守りを行います。
入浴支援
私たちは、利用者さまの「自立」をサポートするために日々支援を行っています。
利用者様がご自身でできることまでやってしまうと、逆にご本人の自立度を下げてしまうことになるので、利用者様がご自身で行うことが難しい部分のみ支援や介助を行います。
入浴がご自身でできる方は、同性のスタッフが見守りのみ行います。
入浴はできるけど洗い残しがあったり、途中で何をすれば良いか分からなくなってしまう場合には、その方に合わせた手順書を作っています。
写真、イラスト、文字などの視覚的情報の中で一番ご本人にとって分かりやすい方法を使って手順書をつくることによって、手順書を見ながら一人で入浴ができています。
入浴が自分でできない方には、支援員が代わりに身体や頭を洗います。
すべて、同性のスタッフが対応しております。
このように、入浴一つとっても利用者様の自立をサポートするために支援を行っています。
料金
家賃43,000円/月
共益費3,000円/月
※電気代・お食事代別途請求
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よくある質問
Q.今後、新たにシェアハウス・グループホームを開設する予定がありますか?
A.今後、2号店、3号店の開所に向けて準備をしていきます。
ただし、土地及び物件(中古物件をリノベーションすることも考えています)3年くらいの準備期間を有する予定です。
2号店の入居をご希望の方の募集と入居確定をしてから、3号店に取り掛かるかたちとなります。
Q.入居にあたり、どのような準備をしたらよろしいでしょうか?
A.理想的なのは、まずは生活介護事業所kaiで、構造化・コミュニケーション支援などの準備をしっかりと行なってからシェアハウスに入る流れです。
もし仮に、居住と日中活動を同時にご利用になるという場合は、例えば他害等(他利用者さんに対しての叩く、噛みつく行動があるかないか、無断外出する行動があるか)の有無を日中の支援を通して確認いたします。
状況によって、シェアハウスへの入居を進めていいケースなのか、進められないケースなのかを判断させていただく可能性がございます。途中で契約解除になることが、お互いにとって一番辛いことになりますので、入居と日中活動をセットで行う場合には、入り口で判断させていただきたいと考えています。
Q.シェアハウスの利用料について教えてください
A.Pilaの場合、
- 月の家賃は 43,000円
- 共益費 3,000円
- 電気代(居室) 3,000~4,000円(エアコンとTVなどの使用量に応じて)
- 食費は 朝食250円、昼食夕食は450円
現在入居されているAさんの場合、8月の利用料は合計69,800円でした。
Q.現在、入居されている方は?
A.Pilaに入居されている方は5名です。
全員、重度知的障害を持つ自閉症の方となっております。自分で出来ることは積極的に行なっていただき、出来ない箇所(スキル不足などによる)には支援員がサポートに入るかたちで、生活されております。
Q.入居対象者は?
A.弊社は、自閉症特化型として生活介護事業所を運営している関係上、基本的に自閉症スペクトラムをお持ちの方が利用対象となります。
Q.就寝時間は決まっていますか?
A.起床時間、就寝時間は、一律〇〇時とは決まっておりません。
その方の自宅でのスタイルに合わせスケジュール化し、対応しております。
Q.日中はどのように過ごしますか?
A.基本的には、日中生活介護事業所に通っております。
しかし利用者さんによっては、週3日利用の方もおり、日中、シェアハウスで過ごしている方もいらっしゃいます。スタッフの買い物の手伝いや外出支援、余暇支援などを提供しております。
ご予約・お問い合わせ
お電話の場合は018-838-6090までお問い合わせください。
シェアハウスPilaでは現在定員5名がご利用されており、新規のお客さまは受け付けておりません。
今後、シェアハウスなどの居住サービスを新たに設立していく予定です。
なお、居住者の方のプライバシーに配慮するため、オープン後の外部の方の館内の見学はご遠慮いただいております(※代わりに、VRで館内の映像をご覧いただけます)。
最後に
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
あらためまして、代表の佐藤宏満です。
「シェアハウス Pila」は、2022年の7月に、自閉症専用シェアハウスとしてスタートしました。
障がい福祉分野の現場で12年間勤務する中で、保護者の方々から、このようなお悩みを耳にする機会が多くありました。
「問題行動を起こしてしまいシェアハウスの利用を断られ続けている」
「24時間つきっきりで自分の時間が一切とれない」
「自分がこの世を去ったあとのことを考えると心配でならない」
もしかしたら、今このページをご覧のあなたも、絶望にも近いような切迫した気持ちでいらっしゃるかもしれません。
わたしに、何かできることはないか。そんな思いで開業したのが、シェアハウス Pilaです。
どのシェアハウスからも利用を断られ、保護者として精神的にも体力的にも限界が近いという方々が、入居を申し込まれています。
「これでもう、自分がこの世を去ったとしても安心」
「手厚く面倒をみてくれて、本当にありがとう」
そう言って、涙を浮かべてお喜びになる保護者の方々が、多くいらっしゃいます。
喜ばれる姿を見るたびに、わたしも心から嬉しく、シェアハウス開業の選択は間違っていなかったと確信しています。
シェアハウス名の「Pila」は、スペイン語で「積み重ね」という意味の単語。
シェアハウスでさまざま成功体験を積み上げ、可能な限りの自立を叶えてほしい。そんな思いを込めて、名付けました。
秋田県には、現状、自閉症に特化したシェアハウスはほとんどありません。
状態が重い方の場合、受け入れてくれるシェアハウスを探すのが本当に難しく、秋田から遠く離れた場所まで引っ越しせざるを得ないケースもあります。
でも、シェアハウスを探して生まれ育った秋田を離れるのは、つらく大変なこと。シェアハウスPilaが、馴染みある地域で暮らし続けるための、切り札になれたらと思っています。
今、行き詰まった気持ちを抱えていらっしゃるとしたら、ぜひ一度、ご相談ください。
まずは、お問い合わせだけでもかまいません。
安心して暮らせる未来のために、今日からできることを、一緒に考えていきましょう。
「シェアハウス Pila」代表 ・佐藤宏満
シェアハウス情報
所在地 | 〒011-1421 秋田市飯島字長山下17-4 |
営業時間 | 24時間営業 |
定休日 | なし |
アクセス | 駐車場有(8台)
JR上飯島駅(最寄り駅)から車で5分
|
問い合わせ | お問い合わせは シェアハウスPila 018-838-7990 株式会社OHANA 018-838-6090 まで |